前回のセルビア・ベオグラードの旅は、以下の記事からご覧ください。
セルビアの首都ベオグラードからニシュへは、FilxBusで約3時間。ニシュはセルビア第3の都市で、首都に比べてローカル色が強く、のどかな雰囲気が魅力の街。
今回はそのニシュに2泊3日で滞在。目的は、近郊にある奇岩群の観光地「デビルズタウン(Đavolja Varoš)」を訪れるため。
スケジュールはややタイトで、
- 初日:ニシュ到着・市内観光
- 2日目:デビルズタウンへ日帰り挑戦
- 3日目:次の目的地に移動
という流れ。
ニシュ到着〜市内観光
ニシュのバスターミナルに着いてすぐ、翌日行く予定の「Prolom(プロロム)」行きバスのチケットを購入。ここがデビルズタウンの最寄町で、アクセスの起点となる場所。このときは何の問題もなくスムーズに買えたが、まさかこれが“地獄への入り口”になるとは…。
その後、宿「Day 'n' Night Hostel」にチェックイン。内装も清潔でキッチンもあり、非常に快適なホステルだった。
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すぐに市内観光へ。見どころは主に中心街と「ニシュ要塞」。
要塞内にある「スタンボル城門」からは市街地やNišava川を一望でき、まるで京都の城下町のような趣を感じさせる。
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要塞の入り口ではポップコーン屋さんがあり、1つ200円もしない程度。ポップコーンを食べながら城内をゆったりと巡ることができた。


城内は市民の憩いの場にもなっており、緑の中に歴史的な建物が点在している。夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気の中、城壁を眺めながらのディナーも楽しめそう。

宿に戻ると他の旅人たちと自然と交流が生まれ、テーブルを囲んで会話を楽しみながら一緒に飲んだのも良い思い出となった。
過酷すぎたデビルズタウンへの挑戦
2日目の朝、早起きしてバスターミナルへ向かい、「Prolom」行きのバスに乗車。終点のProlomは静かな町で、教会やスパホテルが点在しており、隠れた観光地のような雰囲気。周囲は地元のセルビア人やロシア人ばかりで、観光地とは言え日本人は皆無。
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さて、ここからが本番。デビルズタウンへの行き方は以下サイトを参考にしつつ、売店にいたおじさんにルートを尋ねて出発。
途中までは案内通り、目印もあったが、森に入ってからは完全に道が分からなくなり、記載情報も役に立たず。獣道のようなルートを進み続けても一向に目的地は現れず、森を彷徨ううちに体力はどんどん奪われ、持参した水も底を尽き、ついには「これ…死ぬかもしれない」という考えが頭をよぎるレベルに。


途中、牛(家畜)との遭遇や山越えもあった。出発から5〜6時間が経過し、完全に道に迷った状態に。しかも、Prolomからニシュへ戻る終バスのチケットはすでに購入済み。

結局、デビルズタウンへの訪問は断念し、必死の思いで来た道を引き返した。
道中、何度も心が折れかけながらも、なんとかProlomに帰還。水もなくなり、体力も限界、正直このヨーロッパ旅で一番死を意識した瞬間だった。
地元の人の優しさに救われた
終バスの時間にはなんとか間に合い、売店のおじさんに「結局行けなかった」と報告したところ、
「自分の家がニシュの近くにあるから、車で送ってあげるよ」
と、まさかの申し出。
閉店は2時間後だったので、その間に
「喉乾いてるだろ」「お腹も空いてるだろ」と、売店に常備していたご飯を振る舞ってくれた。
出されたのは、魚の漬物・チーズ・おがくずのようなもの(ミートフロス?)をパンの上に乗せて食べるというスタイル。日本ではなかなか体験できない味。

記念撮影をして、いざ車でニシュへ。途中、パン屋さんにも立ち寄ってパンを買ってくれたりと、本当に人の温かさに助けられた1日になった。

夜になってニシュに戻り、おじさんと奥さんにお礼を伝えてお別れ。その日は宿に戻ると、旅人たちと軽く会話を交わし、シャワーを浴びてからは泥のようにベッドに倒れ込んで即就寝。
デビルズタウンへの行き方(今回の失敗から)
ちなみに、デビルズタウンへ行くには、バスでProlomの手前にある「クルシュムリヤ(Kuršumlija)」で下車し、そこからタクシーで向かうのが一般的なルートのよう。
お金をケチって、無謀なルートで挑戦しないように。笑
そして次の街へ
翌朝、再びバスターミナルへ向かい、ニシュを後にして次の目的地、コソボへと向かう。

