プログラミング

【Bun vs Yarn】パッケージマネージャーの比較と移行ガイド

概要

JavaScriptのパッケージ管理ツールにはいくつか選択肢がありますが、最近「Bun」が登場し、注目を集めています。

もともとYarnを使ってフロントエンド開発をしていましたが、試しにBunに移行してみたところ、想像以上にスムーズで大満足! 特にビルドの速度が大幅に向上し、Next.jsで構築したWebアプリのビルド時間が4分半 → 1分半に短縮しました。まだ移行していない方は、ぜひ試してみてほしいです!

本記事では、BunとYarnの違いを詳しく比較し、どの場面でどちらを選ぶべきかを解説します。また、YarnからBunへの移行手順についても紹介します。

1. パフォーマンス(速度・リソース消費)

インストール速度

BunはnpmやYarnよりも高速であることが特徴です。実際のベンチマーク結果は以下の通り。

  • Mac環境の中〜大型プロジェクト
    • bun install: 約9.6秒
    • yarn install: 約19.5秒
  • Linux環境(CIサーバーなど)
    • bun install: 約7.9秒
    • yarn install: 約60.3秒

この高速化は、BunがC/C++の代替言語であるZigで実装されており、並列処理やキャッシュ最適化が施されているためです。

実行速度

BunはJavaScriptエンジンにWebKitのJavaScriptCoreを採用しており、Node.jsよりも高速に処理を実行できます。

  • Bun: 毎秒 59,026 リクエスト
  • Node.js: 毎秒 19,039 リクエスト

約3倍の処理性能を発揮しており、パフォーマンスの向上が期待できます。

メモリ使用量

ただし、Bunは高速化の代償として、メモリ使用量が増加する傾向があります。

  • Node.jsの平均メモリ使用量: 約40MB
  • Bunの平均メモリ使用量: 約70MB

また、Bunは依存関係のインストール後にYarnよりディスク使用量が多くなることがあるため、リソース管理には注意が必要です。

ここは今後の改善に期待…!

2. 機能の違い

Bunの特徴

Bunは、単なるパッケージマネージャーではなく、オールインワンのJavaScript実行環境です。

  • 組み込みランタイムとAPIbun run でスクリプト実行)
  • 高速なHTTPサーバー機能Bun.serve()
  • SQLiteやPostgreSQLドライバを標準搭載
  • TypeScript/JSXのネイティブサポート
  • 組み込みテストランナーbun test
  • ホットリロード機能(コード変更時の自動更新)

Yarnの特徴

一方で、Yarnは純粋なパッケージマネージャーとして機能し、以下の特徴を持っています。

  • ワークスペース(モノレポ対応)
  • Plug’n’Play (PnP) によるnode_modules不要の依存管理
  • プラグインによる機能拡張
  • 厳密なバージョン管理(yarn.lock
  • オフラインインストール対応

Bunは多機能ですが、Yarnのほうがパッケージ管理に特化しており、エコシステムの成熟度が高いのが強みです。

3. 互換性(Node.jsエコシステム)

Node.js APIとの互換性

YarnはNode.jsの上で動作するため、完全な互換性を持ちます。一方、BunはNode.js互換の独自実行環境なので、以下の点に注意が必要です。

  • 未実装のNode.js APIがある
  • ネイティブモジュール(bcryptなど)が動かない可能性がある
  • Node.js固有の挙動と異なる部分がある

Plug’n’Play(PnP)の影響

YarnのPnPモードは、node_modulesを使わずに依存関係を管理する仕組みです。

  • ディスクI/Oを削減し、起動時間を短縮
  • 未宣言の依存関係を排除し、セキュリティを向上

ただし、一部のツールがPnPに対応していないため、利用時には注意が必要です。

4. YarnからBunへの移行手順

1. Bunのインストール

Homebrewを使っている場合は、以下のコマンドでインストールできます。

brew install oven-sh/bun/bun

その他のインストール方法については、公式サイトをチェックしてください!

2. Bunでパッケージインストール

開発プロジェクトのディレクトリで以下を実行するだけで移行完了!

rm -rf yarn.lock
bun install

3. コマンドの置き換え

Next.jsの実行コマンドを以下のように変更します。

yarn dev  →  bun dev
yarn build  →  bun run build
yarn start  →  bun run start

また、Dockerコンテナのベースイメージを変更する場合は、Bunのバージョンを確認して適用してください。

bun -v
node:<nodeバージョン>  →  oven/bun:<bunバージョン>

5. まとめ:どちらを選ぶべきか?

目的おすすめの選択肢
安定した環境を求めるYarn
最新技術を試したいBun
既存のNode.jsプロジェクトに統合Yarn
新規プロジェクトを素早く構築Bun
モノレポ運用を重視Yarn
高性能なAPIサーバーを開発Bun

Bunは非常に強力なツールですが、安定性や互換性を考慮すると、現時点ではYarnがより安心して使える選択肢ですが、今後Bunの開発が進んでいけば、Bunを選択する優位性がさらに高まっていくかなと思います!

ぜひ一度、Bunを試してみてくださいね!

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  • この記事を書いた人
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かず

バックエンド/フロントエンド/クラウドインフラのフルスタックエンジニア | デジタルノマド(‘23/6〜) で世界放浪中 | 主にプログラミングに役立つ情報を発信 | Xでは旅の様子を発信

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